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15- D- 0052 201 5 年 4 月 2 2 日
株式会社日本格付研究所(J C R)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
大阪ガ
ス
株式会社
(証券コード:9532)【据置】
長期発行体格付 AA+p 格付の見通し 安定的 ■ 格付事由
(1) 近畿 2 府 4 県を供給区域とする業界 2 位の都市ガス会社。原料調達から販売までを一貫して手掛けるガス 事業をコア事業としつつ、電力事業や海外エネルギー事業、ライフ&ビジネスソリューション事業などに 収益源が分散されている。原料では電力会社を含めて国内 4 位の規模を持つ調達力を活かして一部の電力 会社や都市ガス事業者への L NG 供給も手掛ける。また、電力事業はガス事業に次ぐ第2のコア事業と位 置付けており、泉北天然ガス発電所をはじめ国内外合計で約 320 万 kW の電源を保有している。
(2) ガス事業のうち工業用では顧客設備の稼働減がみられる一方、新規需要開発が進みつつあり、特殊要因を 除けばガス販売量は堅調に推移している。15/ 3 期はガス事業の原油価格下落に伴う前期のスライド差損 解消や海外エネルギー事業の収益改善もあり、ほぼ前期並みの経常利益を確保した模様である。今後は電 力需給緩和や資源価格低下の影響がやや懸念されるが、収益源の分散が図られているうえ、ガス事業の新 規需要開発や経営効率化の進捗などにより、高水準の収益を維持できる見通しである。海外上流ビジネス を含めた投資拡大が計画されているが、キャッシュフロー創出力からみて財務構成の悪化は限定的にとど まる見通しである。なお、電力・ガスシステム改革の今後の進展には留意が必要だが、現在は当面の詳細 制度設計の進捗を見定める段階にある。以上より、格付を据え置き、見通しを安定的とした。
(3) 供給区域の中長期的な需要開発余地にはやや限界があるが、当面は 14 年に開通した姫路・岡山ライン沿 線を中心とする新規需要開発の進捗がガス販売量の下支えに寄与する見込みである。原料面では 18 年を 目途に米国フリーポート L NG プロジェクトからシェールガス由来の L NG 調達が開始される予定であり、 調達の多様化が進みつつある。一方、電力事業では今後の国内電力需給緩和に伴い採算が徐々に低下する ことが想定される中、中期計画では20 年代に国内外保有電源規模を現行の2 倍近い600 万kW に拡大す る方針を示している。石炭火力発電所の共同開発検討や海外上流ビジネスの開発進展、ライフ&ビジネス ソリューション事業での積極投資の計画もあり、全体として事業リスクが高まる方向にある。
(4) 14 年 12 月末の自己資本は 8, 340 億円と厚みがあり、自己資本比率が 46. 8%となるなど比較的健全な財務 体質を維持している。16/ 3 期には連結設備投資が15/ 3 期見込みの1, 351 億円から2, 020 億円へと大幅に 増加する計画だが、原油価格下落に伴うスライド差益増加による一時的なキャッシュフロー拡大が期待で きる。中期的にも国内外の成長分野を中心として投資拡大が見込まれる中、財務体質の維持・改善を図る ことが課題である。
(担当)殿村 成信・古川 聖治 ■ 格付対象
発行体:大阪ガス株式会社 【据置】
対象 格付 見通し
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格付提供方針に基づくその他開示事項
1. 信用格付を付与した年月日:2015 年 4 月 17 日
2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:島田 卓郎
主任格付アナリスト:殿村 成信
3. 評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、J C R のホームページ(http:/ / www. jcr. co. jp)の「格付方針等」に「信用格付の種類
と記号の定義」(2014 年 1 月 6 日)として掲載している。
4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:
本 件 信 用 格 付の 付 与 にか か る方 法 の 概 要 は、 J C R の ホ ー ムペ ー ジ ( http:/ / www. jcr. co. jp) の 「 格 付 方針 等 」 に 、
「コーポレート等の信用格付方法」(2014 年 11 月 7 日)、「都市ガス」(2011 年 12 月 7 日)として掲載している。
5. 格付関係者:
(発行体・債務者等) 大阪ガス株式会社
6. 本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての J C R の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性
の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので
はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外
の事項は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま
た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、J C R が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入
手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・ 格付関係者が提供した監査済財務諸表
・ 格付関係者が提供した業績、経営方針などに関する資料および説明
8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
J C R は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、
独立監査人による監査、発行体もしくは中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、
当該方針が求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
9. 非依頼格付について:
本件信用格付は格付関係者からの依頼に基づかない信用格付である。国に対する信用格付である場合を除き、依
頼に基づく格付と区別するため格付記号の後に「p」を表示している。格付関係者からは、信用評価に重要な影響を及
ぼす非公表情報を入手している。
10.J C R に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置:なし
■留意事項
本文書に記載された情報は、J C Rが、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また
はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、J C Rは、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、
的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、J C Rは、当該情報の誤り、遺漏、また
は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。J C R は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、
金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因
のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、J C Rの格付は意見の表明であ
って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも
のでもありません。J C Rの格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として
発行体より手数料をいただいて行っております。J C Rの格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、J C Rが保有しています。J C Rの格付データ
を含め、本文書の一部または全部を問わず、J C R に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■NR S R O 登録状況
J C R は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating O rganization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラ スに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。
■ 本件に関するお問い合わせ先